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コロナ禍における子どもたちの声

コロナ禍における子どもたちの声

 

特定非営利活動法人子ども劇場千葉県センター

チャイルドライン千葉 担当理事 中村幸恵

 

今、頑張っている子どもの気持ち 聴いていますか?

 キーワード:子ども、相談、電話、チャット

 

新型コロナ感染拡大の中で、2月末より春休みも含め約3か月間の休校となり、子どもたちの日常生活は一変しました。ステイホーム、ソーシャルディスタンス、テレワーク、オンライン授業等などの言葉や行動様式も生活の一部になってきた感があります。

 チャイルドラインは1 8歳までの子どもが話せる子ども専用電話です。安心して話してもらうために

①ヒミツは守るよ

②名前は言わなくていい

③どんなことも一緒に考える

④切りたいときには電話を切っていい

 という子どもとの4つの約束があります。かけてきた子どもの心に寄り添い、その気持ちを受け止めながら共感的に聴くことを大切にしています。フリーダイヤルでかけられ、2018年からはオンラインチャットも開設しました。現在、全国68団体が連携しあい、約2000名のボランティアが話を聴く活動に参加しています。子どもたちは、いじめや友人関係、部活、勉強、進路、生き方、家族との関係、恋愛、SNS上のことなど普段の生活の中で感じた寂しさ、辛さ、悲しみ、怒り、そして楽しかったことなどをチャイルドラインで話してくれます。

 

チャイルドラインではこのコロナ禍のなかで過ごした全国の子どもの状況を「「新型コロナウイルス感染症」に関連した子どもの声」(事例とデータ速報)(2020年2月28日~4月30日まで)」としてまとめました(末尾参照*1)。一部抜粋して紹介します。事例は個人が特定できないよう編集しています。

 

◎休校要請から全国緊急事態宣言までの主な傾向

Ⅰ 《休校要請 2月28日~ 》

*休みになって将来のことを考えてしまう 

*受験前に休校になって不安になる時間が増えた

*友だちと会えなくなってしまった 

*急に卒業式で実感がわかない 

*アルバイトを休むように学校から言われている

 

Ⅱ 《休校解除方針 3月20日~ 》

*時間がたくさんあるけど何をやっていいのかわからない 

*修了式で久しぶりに学校に行ったけれど、友だちとはあまり話せなかった 

*志村けんが死んでしまった。ショック

*テレビで一日中コロナのことばかりやっている 

*進学したが、うまくやっていけるか不安

 

Ⅲ 《7都道府県緊急事態宣言 4月7日~ 》

*地域に感染者が出た 

*新学期が始まったけど学校がいつ始まるかわからないし、友だちができるか不安 

*自分は休みだけど母が仕事に出かけるので感染しないか不安 

*毎日コロナで人が死んでいて、怖くて外にでられない 

*生活のリズムが崩れてきた。ゲームばっかりしちゃう

 

Ⅳ 《全国緊急事態宣言 4月16日~ 》

*部活で大会を目指して頑張ってきたのに、なくなってしまってすごく落ち込んでいる

*また学校が休みになって外に出られなくなった。友だちができない 

*早く普通の生活に戻ってほしい。いつまでつづくのか 

*友だちと遊べないし、話せない 

*外出できないから考えることが増えた。不安で色々考えてしまう

 

Ⅴ 《その他》

〔家庭が安心ではない状況〕や〔自分自身についての不安、向き合うことによる発見など〕の内容

*親もコロナのことでイライラしてうざい 

*親がコロナのせいで仕事や生活のことを愚痴る

*親が仕事が休みで収入が減ってケンカしている 

*コロナでみんな我慢しているのに自分だけ何もせず、いいのかな? 

*暇だったから今まで見えてなかったものが見えた。お母さんの家事の大変さとか 

*突然の休校で目標を失ってしまった。勉強が手につかない。将来が不安になる

*コロナのことが不安で何もできない。なんで自分は生きているのかと思う

 

 

全体的に学校や部活に関する内容が減少し、自分自身に関する内容が増加したのが特徴です。また、この速報データからは、報道等で注目されている家庭内の虐待や貧困、自殺に関する内容について、特段、大きな変化は見られませんでした。以上、4月30日までの子どもの声と傾向になります。

 

5月後半から、「学校に行きたくない」「入学式に行っただけでクラスメイトと初めて会う」「話しかけられるか心配」「クラス替えになるので友だちができるかな」「オンライン授業では録画して何度も見直せたけど授業になるとついていけるだろうか」等、学校生活への不安を話す子どもが増えました。また、「教室では机が互い違い」「先生はすぐ離れなさいと言い友だちと近づいて話せない」と戸惑いの声もありました。

学校は再開しましたが、子どもたちはまだまだコロナ禍の中にいます。引き続き、その後の子どもの声を伝えていく予定です。発表の場をいただき、ありがとうございました。

 

 

(参照*1)特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター「新型コロナウイルス感染症」に関連した子どもの声」(事例とデータ速報)、(https://childline.or.jp/ プレスリリ―ス:2020年5月26日、一般公表:5月27日)

 

コロナ資料

 


 

中村幸恵

 

中村 幸恵(なかむら ゆきえ)

2020年2月より、チャイルドライン支援センター理事。子ども劇場千葉県センターのチャイルドライン千葉担当理事として日々の運営やボランティア育成、社会発信活動に携わっている。